津村禮次郎（ツムラレイジロウ）

観世流緑泉会代表　重要無形文化財（能楽総合）保持者

社団法人日本能楽会・社団法人能楽協会会員

二松学舎大学文学部特任教授

一橋大学社会学部講師（2009）

1942年福岡県北九州市に生まれる。
1964年一橋大学経済学部卒業。
1969年同社会学部卒業。
在学中に女流能楽師の草分津村紀三子に師事。
卒業と同時に能楽師の道を志し先代観世喜之に師事。
1974年津村紀三子死去により緑泉会を継承する。

1963年能「花月」初シテ。
1971年能「道成寺」初演。

91年文化庁により重要無形文化財（能楽総合）保持者に認定される。

年4回の緑泉会定例公演（喜多能楽堂）のほか、79年小金井薪能を作家林望氏等と設立、本年28回を迎える（8月20日　都立小金井公園内）。

古典能の公演のほか指導者として若手の育成につとめる。
また新作能、創作的活動も多く、「巌洞の能」（大谷石地下採掘場跡地）、「かぐや姫」「オセロー」「トマス・ベケット」「仲麻呂」など。

2003年多田富雄作「一石仙人・ｱｲﾝｼｭﾀｲﾝ」は大きな話題になった。
イギリス、ベルギー、スペイン、シンガポール、スウエーデン、ノルエーなど海外公演も多数。他ジャンルのアーテｲストとのコラボレーションも多い（邦楽、中国打楽器、フラメンコなど）。

2003年新国立劇場コンテンポラリーダンス公演で「弱法師」に出演。
引き続き2004年9月「OKINA」を森山開次と制作上演し好評を得る。
7月淡路島東浦町で「能ｘ建築・3つの舞台」プロジェクトで建築科の学生が作る21世紀の舞台で薪能を行なう。

2004年現代舞踊とのコラボレーションを引き続いて制作公演する。
新国立劇場にて森山開次と「弱法師」「OKINA」、青山円形劇場にてイタリア人舞踊家アレッシオ・シルベストリンと「Derivare」。

2005年3月緑泉会別会能で4回目の「道成寺」を上演し好評を得る。
4月アンデルセン生誕200年記念にアンデルセン作「ある母の物語」をデンマーク人音楽家、オペラ歌手と制作上演し、新たな境地を開く。
愛知万博、12月にはデンマーク、コペンハーゲンで公演する。また7月イタリア、ベネチアダンスビエンナーレにアレッシオ・シルベストリンと共に招聘される。8月ノルウエー、スウエーデン、イギリスでイプセン作「人形の家」を現代演劇とのコラボレーションで制作公演。（日本公演8月）

2006年8月オスローで2006フェステイバルに招聘される。

2006年8月佐渡薪能で創作能「トキ」を鼓童・和太鼓と制作上演、2010年8月第32回小金井薪能で佐渡島外初上演。

2007年同じく「佐渡の日蓮」。

2008、2009年には森山開次を招き、「KOMACHI」「鶴女房」などを連作。

2008年8月小金井薪能30回記念作品「黄金桜」林望作を上演。

2008年よりセルリアンタワー能楽堂[伝統と創造]シリーズで「ひかり、肖像」「かけことば」「手の詩」など酒井はな（バレーダンサー）、A・シルベストリン等と現代舞踊作品を毎年連続共作。

2009年「ひかり、肖像」「ふたりのノーラ」でパリ、ウイーン、ブタペスト公演。

2009年新潟りゅーとぴあ能楽堂シェークスピアシリーズ・栗田芳宏演出「テンペスト」にエアリエル役で出演。
9月H・イプセン原作より「復活の日」を制作上演、インドネシア連続公演。

2010年4月に源氏物語より「GENJI」共同制作、2011年6月パリ、ブタペスト公演予定。

2010年6月イスタンブール舞台芸術祭に新国立劇場制作・森山開次作品「弱法師」で参加

2010年9月「この道50年」を記念して、森田拾史郎撮影写真集「舞幻・BUGEN」を出版。

林望氏のエッセイ、野田秀樹との対談を掲載。前文英訳付き。

2010年文化交流使を文化庁より指名され、2011年2月24日より45日間モスクワ、ブタペストで各演劇大学で講義ワークショップなど行う。

2011年10月新国立劇場バレー作品「パゴダの王子」（B・ブリテン作曲）、芸術監督D・ビントレー制作演出に参加出演予定。

著作に「能狂言図典」（小学館、一部執筆）、「能がわかる100のキーワード」（小学館）がある。その外写真集「舞幻」、「能」（PIE　BOOKS）等に写真多数掲載される。

稽古場: 緑泉会小金井舞台、渋谷区初台稽古場、仙台市小松島舞台、福島市泉稽古場、読売日本テレビ文化センター（荻窪・川口）、小金井市本町公民館、一橋大学観世会。